数学

紙で球を作るための展開図と計算(Excel・イラレ)

2023-04-11

「紙で球を作る方法」を調べたんですが、計算して作図する方法がほとんど見つからなくて、意外と需要があるのかな?と記事にしてみました。

球を縦8等分、横8等分にして、その交点をプロットすれば展開図を作れるのでは?という作戦です。

展開図さえ見れればいいという人はこちらへどうぞ(実寸の展開図)

手順

1.数式を考える
2.Excelでグラフにする
3.イラレ(画像ソフト)でグラフをトレースして実寸にする
4.ほかの方法(イラレだけでやる方法・Excelだけでやる方法)

1.展開図の数式の計算

今回は、紡錘形(葉っぱのような形)が8枚連なる展開図を作ります。

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高校数学(数Ⅰ)の三角関数を少し使います。

2.Excelに数式を入れる

散布図(平滑線のマーカー無し)で作成しました。

(表の右端「方眼の為の円グラフ」はダミーデータです(後述))

数式はこんな感じ。
とりあえず作った式なので綺麗な式じゃなく…。

Excelだと「π」は「PI()」、角度は「RADIANS(θの数値)」を使います。$マークは「コピペ時に数式のセル名が変わらないようにするマーク」です。

今回は、直径4cmの球で、紡錘形が8枚連なる展開図です。
直径や展開図の枚数を変える場合は、緑色のセルで変えられます。

変えるとこんな感じ。

上段は直径を変えたパターン。単純に拡大縮小した形になります。
下段は紡錘形の枚数を変えたパターン。横幅が変わります。

2-1.グラフ作成の注意点

グラフを作成するときに注意点が2つあります。

・xyが逆になる
・グラフが方眼じゃない

xyが逆になってしまう

そのままグラフを挿入するとx軸とy軸が逆になります。
そのままで大丈夫です。イラレの時に回転させればいいので。

一応、xyを直すには…
グラフの「デザイン」→「データの選択」→「編集」で系列の1個1個を変更してxyを逆にします。

方眼に直す

Excelってグラフのメモリが方眼じゃありません(うちの古いExcelだけかもしれませんが)。

縦と横の「1」の間隔が違うのがわかるでしょうか。

そこで、こちらの記事を参考に、ダミーの円グラフを使って方眼に直しました(めっちゃありがたい!)。http://excelgraph1.starfree.jp/graph126/graph126.html

でも、直さなくても大丈夫です。イラレで実寸サイズに変更できるので。

一応、先程の記事を参考にExcelで方眼にするには…
※ うちのExcelが古いんで(2010)今と操作がちょっと違うかも

1.ダミーの数値を入れて、「データの選択」→「追加」でダミーの数値をグラフに反映させます。グラフの黄緑の線がダミーデータ。

2.「軸の書式設定」で最小値と最大値を固定にします。このときに、x軸とy軸の「最小値~最大値」の数値の幅を同じにします。x軸が「0~8」なら、y軸は「-4~4」というように。
この時点では、まだ方眼になりません。

3. 黄緑のダミーの線を選択して、「系列グラフの種類の変更」→「円グラフ」にします。

4.円グラフを選択して「データ系列の書式設定」→「塗りつぶし」をなし→「枠線の色」を線なし、にして円グラフを消します。

うちのExcel2010はこの操作だけじゃ線が消えないんですが、この後、グラフをクリックしたら消えました(操作にラグがある)。

3.スクショ&イラレ

あとはグラフをスクショ(PrtSc)して、それを下書きにイラレでトレースします。

コピペで個数を増やして、実寸サイズに変更したら終わりです。
実寸サイズはExcelの数値を確認します。

「赤いセル」が縦横のサイズになります。

・「紡錘形の高さ」(円周の半分)(πr)
・「8枚連なった横幅」→「円周」(2πr)
・「紡錘形1枚の最大幅」(円周÷枚数)→ 紡錘形の欄の角度0の「幅」です
つまり、8枚連なった縦横サイズは1:2になります。

以上で展開図は完成です。

組み立ての注意

上のように切って組み立てようとすると、意外と難しいです。片側が玉ねぎのように尖ってしまうんですよね。(特に小さいサイズや薄い紙だと)

そこで上下を半分に切って組み立てたら、作業が楽で形も球状になりました。小さいサイズや薄い紙は組み立てが難しいので、場合によってはパーツを分けるといいかもしれません。

こんな感じで上下を真っ二つにして組み立てると…

右が真っ二つにした方です。仕上がりが違います。
どちらも直径4cm(ピンポン玉サイズ)で、コピー用紙で作りました。小さくて薄くて、ちょっと難しかったです。

4.イラレもしくはExcelしか無い場合

上の図の
上段が今回作った8連の展開図。
中段は、イラレで上段のパーツをコピペしてサイズ調整したものです。
下段は、Excelで数値を変えて作ったグラフ。

中段と下段は形がピッタリ一致するので、イラレがあれば紡錘形を1つ作ってイラレでサイズや枚数を調整するのが楽かもしれません。

イラレだけでやる方法

元になる紡錘形の画像(サイズは何でもいい)が1個あれば、どんなサイズや枚数でも作れます(Excelで計算しなくていい)。トレース → コピペ → サイズ調整 で完了。

展開図全体の縦横比を1:2にすればOKです(縦は円周の半分、横は円周なので1:2)。円周は2πrで計算します(rは球の半径、πは3.1415926535…)。

Excelだけでやる方法

紡錘形を複数並べたグラフも作れるので、Excelで完結することも可能です。サイズ調整は印刷の倍率で調整でしょうか(ちょっと大変そうだけど…)。

元のグラフを横幅分ずらすだけなので数式は簡単です。

↓ 数式はこんな感じ。(見えるかな…)
これも力技の式。(式中の数字の意味がわかりやすいように、部分的に文字列から数字をもってきています。後で私が思い出しやすいように…)

一応、12枚・10枚・8枚・7枚・6枚・5枚の展開図を作りました(実寸の展開図はこちらのページ)

最後に

私はケアレスミスが多いので、数式とか大丈夫かな?と一抹の不安がありますが、組み立てたらそれなりに出来上がったので多分大丈夫な筈…。

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